自毛植毛にも種類がある?比較して自分に合う植毛方法を理解しよう

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みなさんは自毛植毛にも種類があることをご存じでしょうか。
自毛植毛と人工植毛の違いについてはぼんやりと知っている方も多いかと思いますが、実は一口に自毛植毛と言っても方法にいくつかの種類が存在するのです。

そこで今回は数多く存在する自毛植毛の種類についてそれぞれご紹介していきます。
正しい知識をつけて自分に合った治療方法を見つけましょう。

自毛植毛の種類 ① | 単一植毛

単一植毛は韓国の医師Choi氏が1992年に初めて実施した手法で別名チョイ法、植毛針(ニードル)で穴を開けて植える為、ニードル法と呼ばれることも多い手法です。

後頭部や側頭部の頭皮を帯状に切り取って、ドナーとなる健康な毛髪を採取し、薄くなった部分に1本1本植えていく方法で、始めはまつ毛や眉毛、ひげ、陰毛などの比較的細かい部位を植毛するために開発されましたが、のちに髪の毛の植毛にも用いられるようになりました。

1本1本植えるので、毛髪の角度などを調節しやすく好みのデザインにすることができる一方で、時間と膨大なコストがかかることに加えて大きな傷跡が残ることや術後の痛みが強く残ること、生着率が低いという観点から考案された韓国以外ではあまり普及していない手法です。

自毛植毛の種類 ② |パンチ・グラフト植毛

パンチ・グラフト植毛はアメリカのノーマン・オーレントリック氏が発表したもので、1960年代以降、30年に渡って広く用いられていた手法です。

パンチを使って移植元から大きさ3~4㎜のグラフト(1株に10本以上の移植毛)を採取して、それを薄毛部分に移植するという手法で、当時は植毛の歴史のスタート地点と言えるほど革新的な手法と言われていました。しかし、傷跡が残ることや、密度が低いこと、2~3回目の手術に支障を生じること、生えぎわが不自然なこと、毛根の向きを調節できないことなどの欠点があり、今ではあまり使われていません。

自毛植毛の種類 ③ |ミニ・グラフト植毛

ミニ・グラフト植毛はパンチ・グラフト植毛の改良版として1990代に用いられるようになった手法で、現在では、マルチ・フォリキュラーグラフトやMfu株ともいわれています。

円筒形のメスなどを用いて採取部分を2~3㎜径にして1株3〜6本のグラフトを採取して移植をする手法で、毛の向きや角度、密度の調整がしやすくなりました。
それに加えてミニ・グラフト植毛は乾燥にも強く短時間の手術時間で済むことから今でも採用しているクリニックが多い手法です。

自毛植毛の種類 ④ |マイクロ・グラフト植毛

マイクロ・グラフト植毛はミニ・グラフト植毛をさらに繊細にした手法で、
マイクロ・グラフト植毛だけでの手術は勿論のこと、ミニ・グラフト植毛と合わせて行うこともあります。

ドナーの採取部分は1mm径という小さな範囲で、1株1~2本のグラフトを移植する手法で、不自然さを圧倒的に少なくできるとともにより柔軟なヘアデザインが可能です。
しかし、1株1~2本という少ない単位での移植なのでボリュームを出すのには不向きな手法です。
細かくピンポイントな位置への移植にはとても適しています。

自毛植毛の種類 ⑤ | FUT法

FUT法は1995年頃にアメリカのBobby L. Limmer氏が発表したもので、顕微鏡を使い解剖学的単位「FU」(Follicular Unit=毛包単位)を一つ一つ採取する方法からこの名前が付けられました。別名ストリップ法とも言われています。

男性ホルモンの影響を受けにくい後頭部や側頭部の頭皮をメスで切除し、その皮膚片からグラフトを1つ1つ丁寧に株分けして薄毛の箇所に移植するというもので、AGAの先進国であるアメリカでは主流となっている手法です。

顕微鏡を使って毛髪を構成する組織を丸ごと傷つけずに移植するため、高い生着率を実現することが可能です。
手術も日帰りで比較的短時間で終えることができるため、翌日から普段通りの生活を送ることができますが、人によっては術後強い痛みが長い場合数週間続くこともあります。

自毛植毛の種類 ⑥ | FUE法

FUE法は1960年代以降によく用いられていたパンチ・グラフト植毛を改良した手法で、メスを使わないことが特徴です。

従来のメスに代わって専用の1ミリ前後のパンチを用いて毛髪を毛包ごとくり抜いてグラフを採取して移植する手法で、狭い範囲の植毛で少量のドナーで済むケースや、ドナー部の皮膚の緊張が強くて余裕のないケースの方にはとても向いている手法です。

発表された当時は「メスを使わない、切らない、縫合の傷痕ができない方法」としてとても話題になりましたが、毛包を傷つけないように採取する必要があり、医師の技術次第で試着率が大きく下がってしまう可能性があります。

自毛植毛の種類 ⑦ | SAFE法

SAFE法はFUE法の改良法として2004年に発表された手法で、毛根の切断率を約5%から8%にまで抑えることができるのが特徴です。

内容的にはFUE法と変わらなく毛包単位で移植するのでより自然な植毛が可能なのですが、かなり高度な技術を要するため限られた医療機関でしか行う事ができません。
また、広範囲の移植には不向きの為、ピンポイントで小さい位置に植毛したい方にはオススメの手法です。

自毛植毛の種類を理解して自分にぴったりの方法を選ぼう

今回は大きく7種類の自毛植毛の方法をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
それぞれメリットデメリットはありますが、自分の症状と照らし合わせて最適な自毛植毛の方法を見つけられれば薄毛の悩みから解放されることができます。

しかし自分で判断するのは難しいと感じる方も多いかと思いますので、まずはこの記事で最低限の知識をつけて専門のお医者さんに相談してみましょう。きっとあなたにぴったりの方法を提案してくれると思いますよ。